【ケラリーノ・サンドロヴィッチ】不思議な名前で多様なクリエイト活動を?

ケラリーノ・サンドロヴィッチ
ケラリーノ・サンドロヴィッチ

謎の名前ですよね

ケラリーノ・サンドロヴィッチさんについては、まず名前が不思議なんですが、以前はケラと名乗ってはりました。今でも別名義としてケラやKERAで活動もしているとのことです。
筆者はこのケラさんの存在を知ったのは、大槻ケンヂさんがフックになっています。大槻ケンヂさんのバンド「筋肉少女帯」がインディーズ時代に所属していたレーベル「ナゴムレコード」を主宰していたのがケラだったからです。

ケラさん自身、「有頂天」とかいうエキセントリックなバンドをやっていたみたいでした。なので、ケラさんは元来ミュージシャンになると思うのですが、レーベルを主宰したり、その後は劇団を作ったりと、多様なクリエイトをしていきます。日本経済がバブルに向かう中で、文化軸ではバンドブームやサブカルチャーなどが盛り上がっていました。

その潮流に乗って出てきたのか、それともその潮流を作ってきた人物なのか、世の中に出て有名になれた要因はぶっちゃけよく分からないのですが、結果的に現在は脚本・演出・監督などで世間に認めらるものをクリエイトしており、名前は謎であるが、ゴイスー人物と認定することができるでしょう。

ケラの人物や略歴は

ケラリーノ・サンドロヴィッチさんは、1963年1月3日生まれ、東京都出身のミュージシャン、俳優、脚本家・演出家・劇作家、映画監督です。日本大学鶴ヶ丘高等学校、横浜放送映画専門学院(現:日本映画大学)を卒業しています。昔はケラと名乗っており、今は別名義でケラKERAを使って活動しています。このケラというネーミングは、学校の演劇部に入るときのオーディションで自身が歌った「虫けらの歌」からあだ名を付けられたとのことです。

本名は小林一三(こばやしかずみ)さん。妻は女優の緒川たまきさんです。父親はジャズ・ミュージシャンらしく、音楽的な素養はあったのかもしれませんね。

小学生のころは、喜劇役者になるのが夢だったらしいです。当時からおもしろが好きだったのかもしれませんね。高校生では演劇部に入部。喜劇映画をこよなく愛し、1976年に当時13歳で「喜劇映画研究会」を創設します。1985年まで同会の代表を務めました。高校生でありながら、明治大学の映画・演劇サークルにも参加してたらしいです。早熟というか演劇関係への熱量が非常に高く、そして行動力もある人物だったんですね。

1983年に当時20歳で自身のバンド「有頂天」の活動やインディーレーベル「ナゴムレコード」の運営を開始しました。ミュージシャンとしては「有頂天」以外にも、大槻ケンヂさんといっしょに作った「空手バカボン」(自称「最後のテクノバンド」)のほか、いくつかバンドを組み、ケラ・KERA名義で活動しています。

1985年に当時22歳で「劇団健康」という劇団を旗揚げします。この劇団は、犬山イヌコや田口トモロヲなどと一緒にやり出し、1992年に解散するんですが、1993年に後身として「ナイロン100℃」を旗揚げします。劇団においては、主宰として殆どの作品の劇作・演出に携わっています。演劇関係においてはケラリーノ・サンドロヴィッチ名義を使用しています。

2003年に当時40歳で「1980」にて映画の初監督をします。その後は、映画「グミ・チョコレート・パイン」(大槻ケンヂさん原作、峯田和伸さんがAV男優役で出演)の監督など、映画監督としての活動もしていきます。連続テレビドラマ「時効警察」の脚本・監督もしたりしています。「時効警察」はオダギリジョーさんが出てましたよね。2018年11月(当時55歳)には、脚本家・演出家としての功績を認められて紫綬褒章を受章しています。

はっきり言って「ナゴム」関連は奇妙奇天烈・摩訶不思議なサブカル系だったのに、現在ではエスタブリッシュメント側からの評価を受けるまでに成り上がってはります。やはりゴイスーなんでしょう。

多様なクリエイト活動

【インディーズレーベル:ナゴムレコード】
ナゴムレコードは1983年より活動している日本のインディーズレーベルです。通称「ナゴム」です。前述の通り、ケラさんが主宰者です。

1980年代後半においては、インディーズバンドに特化したレーベルとして「キャプテンレコード」「トランスレコード」などがあったらしいのですが、それらと並ぶ最大手レーベルの一つだったみたいです。20歳の若者がクリエイトしたレーベルがそんなポジションを取れるってゴイスーですよね。当時のサブカルの一端を担って、1990年代以降に有名になっていくミュージシャンやクリエイター、俳優を輩出したことで認知されているみたいです。

基本的に、ケラさんが独自に多くのバンドをスカウトしてレコード化していったみたいです。メジャーのレコード会社は当然、他のインディーズレーベルにも引っ掛からない「個性の塊」のようなバンドを積極的に取り上げました。在籍ミュージシャンの音楽性は多種多様であったが、いずれも外見・パフォーマンス含め「異彩を放つ個性派」と注目されました。ケラ曰くは「はぐれものとか、弱者とかのための音楽をやってる人達」とのこと。ライブに炊飯ジャーを持ってきてご飯を炊いてその中にウンコをするとか、ライブハウスにショベルカーで突っ込むとか、ライブ中にゲボを吐くとかそういうのです。

代表的なアーティストとしては、筋肉少女帯大槻ケンヂさんのバンド)、人生石野卓球のバンド、電気グルーヴの前身)、たま(イカ天で有名になり紅白にも出演したバンド)、ばちかぶり田口トモロヲのバンド)などが在籍していました。

所属アーティストのファンたちはライヴに来るときに、アーティストと同様に個性的で奇抜なファッションをしていたらしいです。女性ファンを「ナゴムギャル」、男性ファンを「ナゴムキッズ」と呼んでたみたいです。ちなみに、1990年代後半に、石野卓球(電気グルーヴ)のプロデュースでデビューした篠原ともえの「シノラー」ファッションに共通点が見られたらしく、篠原ともえさんが「平成のナゴムギャル」と言われてたらしいです。

「ナゴム」に関して、ケラさん自身が語っている記事があるので、宜しければご参照ください。ナゴムレコードという巨大な現象

【劇団:ナイロン100℃】
ナイロン100℃(ナイロンひゃくどシー)は、ケラ主宰の劇団、略して「ナイロン」です。「劇団健康」を前身の劇団とし、1993年から活動開始しています。活動拠点は東京都です。

基本的に、ケラが各公演の劇作・演出を手掛けています。主要なメンバーには、犬山イヌコさん、みのすけ、峯村リエさん、三宅弘城さん、松永玲子さん、大倉孝二さんなどがいます。個人的には、大倉孝二さんが在籍しているのが、驚き&おもしろでした。大倉孝二さんは僕の大好きな映画「ピンポン」にアクマという役で出演していました。ナイスでした。

劇風について、「劇団健康」のときは設定不明のナンセンスギャグを主体とした作風であったことから、当初は「ナイロン」でもこの流れを汲んでいました。後々はナンセンスやコメディ的な発想を持ち味としつつ、ストーリー性にも重点が置かれるようになり、展開・構成など緻密に練られた趣向が意欲的に取り入れられているみたいです。シチュエーション・コメディなどに分類されるらしいです。これに対して、一般的な感覚では悲劇として扱われるような題材をコメディに仕立てる作風を、ケラ曰く「シリアス・コメディ」としています。悲劇が派生的に笑いを呼び込むのではなく、確信犯的に笑いをクリエイトする手法とのことです。

「ナイロン100℃」のオフィシャルサイト

【映画監督として】
ケラさんが初監督を務めた映画は「1980」です。僕も観ました。面白かったのですが、ちょっと不思議な感じでした。この映画は、主役として、若かりし頃の蒼井優さんが出演してました。可愛かったです。ともさかりえや若かりし頃の勝地涼さんも出演していました。あとは、けっこう「ナイロン100℃」の役者さんが出ていましたね。犬山犬子さん、田口トモロヲさん、大倉孝二さんとか。

大槻ケンヂの半自伝的小説を原作とした映画「グミ・チョコレート・パインの監督もケラがしています。エンディング曲の「少年ヤング」は電気グルーヴによる書き下ろしらしいです。この映画は面白かったですし、楽しそうでした。「ナゴム」をベースにした友情関係が続いているのでしょう。

やっぱりゴイスー

こうして見てみると、ケラリーノ・サンドロヴィッチさんはやっぱりゴイスーですね。「ナゴム」系とか意味不明と思っていましたが、若いときからチャレンジしてますからね。実際に行動してクリエイトしている。そして、結果を出している。ベンチャーと言えるでしょう。

土俵が全然違うのですが、実はケラはGMOインターネットの熊谷正寿さんと同い年になります。ビジネス界隈でITベンチャーたちがスタートアップするのとは別フィールドで、文化・アート系の世界でチャレンジしてきた人たちがいたってことですね。

あと、ケラさんがゴイスーたる確固たる事実としては、のんちゃんがインスタで、ケラさんと一緒に撮ってる写真を嬉しそうにアップしていたことです。

 

この投稿をInstagramで見る

 

ケラさんに再びお会いしました〜!わーい🤳 #ケラリーノサンドロヴィッチ さん🕴

のん(@non_kamo_ne)がシェアした投稿 –

のんちゃん可愛いなぁと思うとともに、もっとチャレンジしないとなぁと僕は胸が熱くなりました。まじまんじ。

以上

※写真画像の出典はコチラ
※参考文献は、コチラ
※記事内容は固有の感想等も含みます。
※本記事はKOBAYAKAWAが執筆しました!



記事を食べたいと思ったら
いいね!しよう

Twitterも食べる?

おすすめ