【松本大洋】独創的な絵のタッチと世界観。ジャパニーズサブカル漫画ですか?

松本大洋
松本大洋

絵も物語も独特の世界観

松本大洋さんの漫画は独特だと思います。私のような少年時代からジャンプ系の漫画を読んできた人種にとって、松本大洋さんの漫画はまず絵が他の漫画とは全然違うと思います。ストーリーもなんか不思議です。フワフワとして掴みどころがないような、メタメッセージが多くてオタク的なような。でも、懐かしかったり熱くなる部分があったり、ちょっとアート的なオシャレさを感じるところもあったりと。

あと、私は勝手に松本大洋さんはもっと昔の世代の漫画家だと思ってました。漫画の雰囲気なのか、何でなんか分かりませんが。実は松本大洋さんは「SLAM DUNK」の井上雄彦さんと同い年ですし、松本大洋さんの代表作「ピンポン」は1996年~1997年にやってたので、「SLAM DUNK」(1990年-1996年)より後の作品です。鳥山明さんの「ドラゴンボール」(1984年-1995年)よりも後なんです。ジャンプの黄金世代と同年代で、売れたのはちょっと後って感じだったんですね。

もし私が少年期に松本大洋さんの漫画を読んでたら理解はできなかったと思います。けど、松本大洋さんの原作のアニメは、今の子どもたち(小学生くらいまでの)は好きみたいです。私の甥(姉ちゃんの子どもなんですが)は小学生なんですが、「鉄コン筋クリート」がめっちゃ大好きで、ひたすらDVDを観てました。たぶん、フィーリングで面白いのでしょう。

松本大洋とは?略歴

プロフィール
松本大洋(まつもとたいよう)さんは、1967年10月25日生まれ、東京都出身の漫画家です。和光大学文学部芸術学科中退。1987年(20歳時)に漫画家デビューしています。代表作は「ピンポン」「鉄コン筋クリート」「青い春」「花男」「ナンバーファイブ 吾」などがあります。スポーツや闘いをテーマにして、男の持つ美学や世界観を独創的な絵とタッチで表現する漫画家です。

デビュー初期は、講談社「モーニング」で活動していましたが、あまり人気が出ませんでした。小学館「ビッグコミックスピリッツ」に移籍してから高い評価を受けるようになりました。母親は詩人の工藤直子さん。奥さんは漫画家の冬野さほさん。松本大洋さんは、親族も芸術系であり、芸大出身、デビューも20歳で早熟なこともあり、当初は「自分を天才」だと思っていたらしいです。が、後に自分の作品が「あかん」と認識し勘違いを改めることになったみたいです。

これまでの経歴
小学生から高校生までサッカーをしておりスポーツ少年でした。その経験が漫画の題材にスポーツが多い理由かもしれません。小学生のときは、児童施設で育ちました。高校生のときに、大友克洋さんの漫画を読むようになり、特に「童夢」に衝撃を受けました。大学生のときに漫画研究会に入り、18歳で初めての漫画を描きました。2作目として描いた漫画を講談社に持ち込みました。

20歳のときに講談社にて漫画家としてデビューします。それで、大学もバイトも辞めます。諸々の背景から自信があったみたいですが、デビュー後は低迷が続きました。同時期にデビューした漫画家で「勝てない」と思ったのは、若林健次さん、山田芳裕さん、タナカカツキさんとのこと。自分のことを天才と思っていた松本大洋さんは、この人たちに敵わないと思い、打ちひしがれます。

その後、空白期間なども経て、小学館に移籍します。そこからは挫折をバネにしたのか、1991年「花男」、1993年「鉄コン筋クリート」、1997年「ピンポン」を連載し、ヒットさせます。粘りました。

松本大洋の作品に関して

松本大洋さんの作品は単体で死ぬほどめっちゃ売れたというよりも、各作品を通して松本大洋という漫画家が評価されたこと、メディアミックスで映画・アニメなどと連動して話題になったことが大きいと思われます。また、一つの作品があまり長くない(話数・巻数が少ない)のも特徴です。いわゆるジャンプの長編漫画のようなやつは書いてないです。

絵のタッチに関してですが、線にこだわりがあるみたいです。直観的には、THE・漫画というよりイラストチックな感じがします。初期の作品では、顔面を記号的に省略した人物が登場したり、構図において魚眼レンズで写したような空間の広がりを極端に強調したアングルが多かったです。色の使い方、明暗の使い方も独特且つ作品によって変化自在です。画材は一貫してミリペンを使用しているらしいです。
引用:小学館の松本大洋のページより
松本大洋の漫画作品

サブカル漫画なのか?

私は、松本大洋さんの漫画について勝手にサブカル感を抱いています。素人目線なんかもしれませんが、VILLAGE/VANGUARD(ヴィレッジヴァンガード)に置いてる系の漫画ってイメージです。

松本大洋の漫画自体は私も大好きです。不思議な面白さがあります。特に「ピンポン」は大好きでした。「ピンポン」に関しては映画も大好きでした。映画は音楽が良かったんすよ。石野卓球砂原良徳も「ピンポン」を音で彩ってくれました。
アニメも良いっすよね。



1巻の表紙が「スマイル」なのも、また良い。

メタ的なメッセージが多いですよね。少年漫画的ないわゆる「★愛★」「★正義★」「★友情★」「みんなでがんばるんだー!!海賊王ー!!」「One for all. All for one」的なのとは全く異なる世界観です。個人的にはぶっちゃけメッセージの意味とか意図とか理解してない部分もあると思いますし、それで良いと思ってフィーリングで楽しんでいます。子どもたちからもそのフィーリングの部分でウケてるのかなぁと思っています。

若干、厨二感はあるのかもです。オタク的な人たちが喜んで「考察」とか語ってるのもサブカル感を補強している可能性もありますね。

新しい作品も書いていくとのことですので、これからの活動にも期待です。Yes! You can fly!!

※写真画像の出典はコチラ
※参考文献は、コチラ
※記事内容は固有の感想等も含みます。
※本記事は寄谷太一が執筆しました!



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